英文メールと文書作成を留学で鍛える方法

英文メールは、翻訳ツールを使えばひとまず形になります。ですから「もう困っていない」と感じている人も多いはずです。それでも問題が残るのは、出てきた英文が適切かどうかを自分で判断できないからです。
丁寧すぎて回りくどいのか、直截すぎて失礼なのか。この判断ができないまま送り続けると、返信の温度が下がっていることにも気づけません。留学中のマンツーマンは、この判断力を作るのに向いています。書いたものを、その場で読んでもらい、なぜ直したのかを聞ける環境だからです。
社会人が詰まる4つの型
添削を受けていると、詰まる場所はだいたい共通しています。
- 依頼が弱すぎる。 "I would be grateful if you could possibly consider 〜" のように緩衝表現を重ねすぎて、何を頼んでいるのか伝わらない。
- 謝罪から入る。 日本語の「お忙しいところ恐れ入りますが」をそのまま置くと、英語では「何か問題が起きたのか」と読まれることがあります。
- 結論が最後にある。 背景 → 経緯 → 結論の順に書くと、忙しい相手には最後まで読まれません。
- 期限が書かれていない。 "as soon as possible" は期限ではありません。日付を書かないと動きません。
いずれも語彙の問題ではなく、構成と温度の問題です。だから翻訳ツールでは解決しません。
留学中に回す添削のサイクル
やり方はシンプルです。1日1通、実際に使う形式で書いて、講師に見てもらう。
| 手順 | やること | 所要 |
|---|---|---|
| 1 | 夜に1通書く(実際の業務に近い設定で) | 15分 |
| 2 | 授業の冒頭で講師に渡し、読んでもらう | 5分 |
| 3 | なぜ直したのかを英語で説明してもらう | 10分 |
| 4 | 同じ内容を、直された点を踏まえて書き直す | 10分 |
肝は3番目です。直された結果だけを受け取ると、次に同じ場面が来ても自分では書けません。理由を聞いて、自分の言葉で言い直せて初めて資産になります。
講師への頼み方の例です。"I wrote a business email. Could you correct it and tell me why you changed each part?"
週ごとの題材
同じ形式ばかり書いても幅が出ません。週ごとに題材を変えると効率的です。
- 1週目 — 依頼と催促。いちばん頻度が高く、いちばん温度の調整が難しい分野です
- 2週目 — 断り、条件交渉。角を立てずに要件を通す表現
- 3週目 — 謝罪と説明。事実、原因、対応、再発防止の順で書く練習
- 4週目 — 報告と提案。結論から始め、根拠を後ろに置く構成
5週目以降は、実務で実際に送ったメールを持ち込むのがいちばん効きます。社外に出せない情報は伏せたうえで、構成と表現だけを見てもらってください。
メールから文書へ
メールが安定してきたら、長い文書に進みます。会議の議事録、業務手順の説明、1ページの提案書。長い文書では、メールでは見えなかった弱点が出ます。
- 段落の切り方が日本語のままで、1段落が長すぎる
- 接続語が "and" と "but" ばかりで、論理の階層が見えない
- 箇条書きの粒度が揃っていない
このあたりは講師に「読者として読んで、分からなかったところを指摘してほしい」と頼むのが効きます。文法の正しさより、伝わったかどうかで見てもらうわけです。
翻訳ツールとの付き合い方
使ってはいけない、という話ではありません。使い方を変えるだけです。
- 自分で書いてから、ツールの出力と比べる。 差分がそのまま学習材料になります
- ツールの出力をそのまま送らず、一度読み直して自分の言葉に寄せる
- ツールが出した表現を講師に見せて、「この場面で自然か」を聞く
翻訳ツールは英文を作れますが、その英文が場面に合っているかは判断してくれません。 そこを人に聞ける期間が、留学です。
帰国後に続ける形
書く力は、書かなければ落ちます。帰国後は「週1通、英語で書いて誰かに見てもらう」枠を残してください。オンライン英会話の添削サービスでも、社内の英語文書のレビューでも構いません。維持の方法は帰国後の英語維持ルーティンにまとめています。
よくある質問
Q. 話すのが目的の留学でも、書く練習は必要ですか?
書く練習は、話す力の土台になります。書けば構成を意識でき、その構成がそのまま話すときの型になります。実際、英語面接の準備でも最初に行うのは書き出しです。
Q. ライティング専門のコースはありますか?
学校によってコース構成が異なります。ライティングの授業枠があるか、マンツーマンで対応できるかは、申込前に学校またはエージェントへ確認してください。コース選びの考え方は試験コースか会話コースかを参考にどうぞ。
Q. 講師はビジネスの慣習まで分かりますか?
講師は英語の指導者であって、業界の専門家ではありません。業界特有の慣習は自分で持ち込み、英語としての自然さと構成を見てもらうという分担が現実的です。
まとめ
英文ライティングの訓練は、1日1通 → 理由を聞く → 書き直すの反復です。週ごとに題材を変え、慣れたら長い文書へ。翻訳ツールは判断の代わりにはなりません。ビジネス英語に対応できる学校を探すなら、CAESA加盟8校から比較してお問い合わせからご相談ください。
