語学学校の契約書と返金規定|申込前に読む条項

見積書と日程表は何度も見返したのに、契約書そのものは入金後に一度も開いていない — 語学留学の申し込みでは、これが珍しくありません。ところが実際に起きる金銭トラブルは、ほぼ例外なく契約書に書いてある(あるいは、書かれていない)一行から始まります。
ここでは、フィリピン・クラークの語学学校に申し込む前に、契約書のどこを見ればよいのかを、実際に争点になりやすい順に並べます。条件は学校・コース・シーズンによって異なりますので、最終的な確認は必ず、申し込む学校または提携の留学エージェント経由で行ってください。
「1コマ何分」の定義が、受ける授業量そのものを決める
同じ「1日8コマ」でも、1コマが50分の学校と40分の学校では、4週間で10時間以上の差になります。まず確認すべきはここです。
- 1コマの分数と、休憩の取り方
- 8コマの内訳 — マンツーマンが何コマ、グループが何コマか
- 義務自習(強制自習)がコマ数に含まれているか
- 講師が欠勤・退職したときに、補講されるのか、担当が変わるだけなのか
「マンツーマン中心」と聞いていたのに、ふたを開けたらグループ比率が高かった、という食い違いは、この内訳を書面で確認していれば起きません。
中途帰国の返金は「日割り」とは限らない
体調、仕事、家庭の事情。長期で申し込んだ人ほど、途中で帰国する可能性を想定しておく価値があります。ここは学校ごとの差がもっとも大きい部分です。
見るべきは次の点です。未消化分が返るのか、返るとしてどの単位(週単位か月単位か)で計算するのか。入学金・教材費・寮の管理費など、返金対象外として扱われる項目はどれか。返金に手数料がかかるのか。そして、病気や近親者の不幸といった例外条項が用意されているか。
さらに見落としやすいのが、返金の通貨と送金手数料の負担者です。ペソで受け取って自分で両替するのか、円口座に送金してもらえるのか、その際の手数料は誰が持つのか。金額が大きいほど、ここの差は無視できません。なお、帰国ではなく期間そのものを変える場合の実務は留学期間の延長・短縮で扱っています。
寮のデポジットは「いつ・いくら・どう返るか」
保証金(デポジット)は、金額そのものより返却のタイミングと控除の基準でもめます。退寮時の点検で何が「損傷」と判断されるのか、鍵や備品の紛失はいくら引かれるのか、返金は退寮当日なのか帰国後の送金なのか。
あわせて、部屋タイプの変更にも触れておくと安心です。1人部屋から3人部屋へ、あるいはその逆へ移りたくなったとき、差額はどう精算されるのか。途中でルームメイトが退寮して人数が減った場合の扱いは、規定がないと交渉になりがちな箇所です。
休講・祝日・講師交代の補填ルール
フィリピンは祝日が多く、時期によっては台風などで通常運営が難しい日もあります。学校行事や講師研修で授業が止まることもあります。
- 祝日はもともと授業日数に含まれていないのか、含まれていて休講になるのか
- 休講分の補講があるのか、あるとすればいつまでに消化するのか
- 補講が受けられないまま期間が終わったとき、返金・繰越の扱いはどうなるのか
「補講します」という口頭の説明だけでは、期限が来たときに根拠になりません。
為替の基準日と、現地で別途払うお金
見積もりがUSD建てなのかPHP建てなのか、日本円ではいくらになるのか。そしてどの時点のレートが適用されるのか — 契約日か、入金日か、現地到着日か。長期コースで分割払いにする場合、この基準日が明記されているかどうかで最終的な支払額が変わります。
もう一つ、学費に含まれず現地で支払うものの一覧を必ずもらってください。政府手続きの費用がその代表です。目安として、SSP(特別就学許可証)は申請1回あたり₱7,800、59日を超えて滞在する場合のACR I-Cardが₱4,500、ビザ延長が1回あたり₱3,000〜6,000程度です。SSPは「一度払えば期間を問わず有効」とは限らず、登録した就学期間に合わせて発給される場合があり、コースを延長すると再申請になることがあります。金額も運用も時期によって変わりますので、申し込み前に必ず学校へ最新の条件を確認してください。 費用全体をどう組み立てるかはクラーク留学の費用の内訳にまとめています。
契約前に、この形で聞く
| 確認項目 | 聞き方 | 危険信号 |
|---|---|---|
| 授業の定義 | 1コマ何分で、内訳は何コマずつですか | 「だいたい」で濁す |
| 中途帰国 | 途中で帰国した場合の返金条件を書面でください | 「相談ベース」としか言わない |
| デポジット | 控除項目と返金時期を教えてください | 金額だけ答えて時期を答えない |
| 休講 | 祝日と休講分の補講規定はどこに書いてありますか | 口頭で「補講します」のみ |
| 追加費用 | 現地で別途払うものを全部リストにしてください | 「行けば分かります」 |
そして最も大切なのは、やり取りをすべて文字で残すことです。メールやメッセージで質問し、文章で回答をもらう。これだけで、後から「言った・言わない」になる余地がほとんどなくなります。正規の認可校であれば、こうした質問に具体的な文章で答えられます。答えの速さと具体性そのものが、学校を見極める情報になります。
契約書は不信の表明ではなく、お互いの前提をそろえる道具です。読んでから申し込んだ人は、滞在中の判断も落ち着いています。
