記事一覧に戻る

語学学校のレベルが上がらない|点検する6項目

語学学校のレベルが上がらない|点検する6項目
Photo: CNEcija12345 / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

「4週間経ったのに、レベルが上がりませんでした」。留学中盤にいちばん多い相談です。そして多くの場合、返ってくる答えは「もっと勉強しましょう」。これは、たいてい役に立ちません。

レベルが動かない理由は、努力量以外にいくつもあります。 順番に点検すれば、大半は原因が特定できます。ここでは6項目を、確認しやすい順に並べます。

まず測定の仕組みを疑う

1. そもそも何を測っているのか

レベルテストの設計は学校ごとに異なります。文法と語彙の筆記が中心の学校もあれば、スピーキングの面接が中心の学校もあります。筆記中心のテストで測っているとき、話す力がどれだけ伸びても数字は動きません。

最初にやることは、レベル判定の基準を学校に聞くことです。何を、どういう比率で見ているのか。ここが分かれば、「伸びていないのか」「測られていない部分が伸びたのか」を切り分けられます。

点数以外の指標で自分の変化を見る方法は英語力の進捗を測る方法にまとめています。

2. 判定の間隔が実力の変化より短くないか

多くの学校は、数週間ごとにレベル判定を行います。一方で、話す力の変化がテストの点数に表れるまでには、それ以上の時間がかかることがあります。

つまり、4週で動かないことは異常ではありません。 とくに初級から中級へ上がる区間は、内部で大量の変化が起きているのに、外形的な数字が追いつかない時期です。ここで焦って学習法を全部入れ替えると、積み上がっていたものまで崩れます。

停滞期の構造については留学3〜4週目の停滞期で詳しく扱っています。

次に授業と学習を疑う

3. 授業で話している量は足りているか

これは自分で測れます。授業を1回だけ録音して、自分が話している秒数を数えてみてください。

マンツーマンの50分で、自分の発話が10分未満なら、授業は「聞く時間」になっています。原因はだいたい2つ。教材の説明が長いか、講師が良かれと思って先回りしているかです。

対処は簡単で、講師に伝えるだけです。"I want to speak more. Could you ask me more questions and explain less?" これで多くの場合、翌日から比率が変わります。授業の頼み方はマンツーマン授業を活かす頼み方にまとめています。

4. 4技能のどれかが極端に遅れていないか

総合レベルの判定は、いちばん弱い技能に引っ張られます。スピーキングが伸びていても、リーディングや文法が止まっていれば、総合の数字は動きません。

自己点検の目安です。

技能止まっているサイン
スピーキング使う表現が3週間前と同じ。言い換えができない
リスニング知っている単語なのに、音として拾えない
文法同じ誤りを毎回直されている
語彙覚えた単語が読めるが、話すときに出てこない

該当した技能が1つなら、そこに授業の時間を寄せます。3つ以上該当するなら、レベルの問題ではなく生活のリズムの問題である可能性が高いので、次の項目へ進んでください。

最後に生活と方向を疑う

5. 睡眠と体調が削れていないか

伸びが止まったと感じている人の記録を見ると、同じ時期に睡眠時間が減っているケースがよくあります。暑い気候での生活、慣れない食事、夜遅くまでの自習。これが2週間続くと、授業中の集中は確実に落ちます。

学習量を増やす前に、睡眠を1時間戻してみてください。それで戻るなら、原因は学習法ではありませんでした。生活面の注意点は留学中の健康管理を参考にしてください。

6. 目標と授業の方向が合っているか

会話を伸ばしたいのに試験対策の教材を進めている、あるいはその逆。方向が違えば、努力は数字にならないことがあります。

ここは講師ではなく、学校のマネージャーやカウンセラーに相談する場面です。コース変更や科目の入れ替えができるかは学校ごとに運用が異なるため、可否は在籍校に確認してください。コース選択の考え方は試験コースか会話コースかにまとめています。

点検の順番

上から順に確認するのがいちばん早い方法です。

  1. 判定基準を学校に聞く
  2. 判定の間隔を確認する
  3. 授業を録音して発話時間を数える
  4. 4技能のどれが遅れているか特定する
  5. 睡眠時間を2週間分振り返る
  6. 目標と授業の方向を突き合わせる

ここまでやって原因が見つからないなら、それはまだ時間が足りていないというだけかもしれません。留学の伸びは直線ではなく、階段状に進みます。数週間平らな区間があってから、急に段差を上がる。この形は、多くの学習者に共通します。

まとめ

レベルが上がらないとき、最初にやるべきは学習量を増やすことではなく点検です。測定の仕組み、発話量、技能の偏り、睡眠、方向 — この5つを順に見れば、たいてい原因は見つかります。学習の設計を相談したい方は、CAESA加盟8校のスタイルを確認のうえお問い合わせからどうぞ。

8校を見る →